- 会社名:
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株式会社初亀
- 代表者:
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代表取締役社長 亀岡健太郎
飲食業。大阪万博への出店を機会に、1971年会社設立。以降、大型博覧会(つくば万博、愛・地球博、大阪花博)、地方博覧会、フードイベント(オクトーバーフェスト、食博、クリスマスマーケット)などにフード出店事業を展開。また、レストラン事業として、かつや、タリーズコーヒー、ブルワリーレストラン長寿蔵、GoodBBQなどの多種多様な事業を展開。
目次
Q.現在の事業を教えてください
「基本的には飲食業ということで、フランチャイズや直営店などのレストランを運営しております。また、公園のバーベキュー場といった、レジャー寄りの店舗展開も行っており、GWやクリスマスなどに各地で開催されているフードイベント等にも全国的に出店しております。私は経理業務以外のバックオフィス全般を担当しております。
弊社の歴史としてはイベント出店のほうが長く、実は1970年の大阪万博以来行っている事業です。人の集まるところで飲食物を提供するノウハウを長年蓄積していることから、ちょっと動きのある、レジャー寄りの飲食にも力を入れて取り組んでいる、といったところですね。」
先代社長の時代から経営理念としていつもおっしゃっていたのは、業績の向上と人材の育成は車輪の両輪ということでした。仕事を通じて社会へ貢献するというミッションと、その仕事を通じて従業員の方に成長をしていただいて、弊社で力をつけていただいて幸せになっていただく、この両方が大事で、どちらかに軸足を置きすぎるということは良くないよ、というお話をしてくださっていましたので、今もずっとその理念に基づいて経営をしております。」
Q.なぜ、外国人を雇用しようと思ったのですか?
「正社員として雇用している外国人は、既存の社員5名に2024年の4月から特定技能制度の社員として新たに入社した2名を加えた、合計7名です。そのほかにも店舗に留学生等のアルバイトさんが多数在籍しております。外国人雇用のきっかけは少々受け身になりますが、8年前に参加した学生向け企業合同説明会でした。
大学生に向けて企業説明を行い、面接につなげるようなイベントだったのですが、沢山の方が関心を持って話を聞きにきてくれた中に、たまたま専門学校に通っている外国人の子がいたんです。弊社のビジネスに非常に興味を持ってくれまして、当時は外国人を雇用しようという発想すらなかったのですが、ぜひとも弊社で働きたいという熱意を語ってくれたので社内で検討してみました。
インバウンドが好調な時期でもありましたし、やはりこれからの人材不足を鑑みると、外国人を雇用して戦力化するノウハウは必須になってくるだろうという意見が経営陣からも出ましたので、面接の時に人柄の良さが分かっていたこともあり、思い切ってお迎えすることにしたんです。実際、今も頑張ってくれていますよ。
当時は外国人雇用の経験値がゼロでしたので、社内には大きな変化がありました。外国人材が相当の熱意を持ってお仕事に取り組んでいただけるということが分かりましたし、やはり我々が普通だと思っていることが彼らにとっては全く普通ではないし、もちろんその逆もあります。上手くいかないこともありましたが、当たり前に対するちょっとした変化や、考え方に対する気づきを非常に多く得ることができ、お互いに化学変化が起こることで、特に若手社員を中心としてみんなの視野が非常に広がりましたね。」
Q.外国人の雇用で、苦労した点はありましたか?
「日本人はどちらかというとオブラートに包んで、空気を読んでくれみたいなところがあると思いますが、やはり外国の方は決断が早く、日本人に比べてはっきりとものをおっしゃる方が多いですよね。外国人の正社員は、上長から言われた通りにミッションとして受け取るということがありまして、それを部下であるアルバイトさんへストレートに伝えるので、非常に業務の効率が上がります。
ただ、やはり心の襞に触れる部分についてはなかなか難しく、ストレートな物言いでスタッフ間に確執が生まれたりもしますね。外国人社員は、自分は成果を出すためにちゃんと言われた通りに指示をして職務を果たしているんだ、というスタンスでおっしゃるのですが、言い方があるのでは、という反発を招いてしまうわけです。そうすると外国人社員の上司としては、日本ではこういう言い方をしないと上手くいかないよ、という調整をしなければならない時があります。
しかし、先に申し上げたようにミッションに対する成果は上がるという事実がありますので、それは評価する必要がありますし、バランスを考えるのが難しいというのは我々にとって学びになっていますね。」
Q.外国人雇用によって会社の内外で変化したことはありましたか?
「日本人も外国人も、お互いに”こういう感じなんだ”ということが分かってくるもので、双方が良さを見出そうという動きをしてくれるようになるんですよね。理解し合おうという感覚でみんなが接してくれたのは良いことだったのかなと思いますし、全く違う価値観の方と接触することで視野が広がったと感じています。
また、ちょっとした話ではありますが、やはり文化が全然違いますので、うちの国にはこんなお祭りがあるよ、そうなの?みたいな雑談も盛り上がりますね。これは違うね、これは万国共通だね、といった感じで教え合ったりして、小さな刺激はいくつもあるなと思っています。」
Q.外国人雇用において気をつけたり、工夫しているポイントは?
「やはり緩衝材として間に入る上司が大事だと感じておりまして、トラブルがあった時にお互いの言い分をちゃんと聞いたりすることで、上手く間に入って調整をする必要があると思います。直接対決になってしまうと、どうしてもぶつかったり、すれ違ったりする部分が出てきますからね。
例えばアルバイトさんが店長に、外国人の方からこんなことを言われたんですと相談したら、すぐにお店へ行ってお互いの言い分を聞いて”こういう意味だよね?“と確認をした上で、”こういう言い方に直そうね”というアドバイスをしてくれるといった感じで、調整役として上手くやってくれています。こうした対応には非常に注意を払っていますね。」
Q.今後の御社の事業展開について、教えてください
「これは日本人も一緒なんですけれども、緩やかに毎年少人数ずつを入社させたいと考えています。当然、色んな思いの中で退職される方もいらっしゃいますし、事業拡大のためにも基本的には毎年1名ないし2名をコンスタントに増やしていきたいです。
弊社は店舗数を拡大して100店舗を目指す、といった感じの会社ではなく、緩やかに1店舗2店舗を大事に出店していく、というスタンスで53年間やってきました。これからも急拡大や急成長は望まず、いただいた案件にしっかり対応していく対応型企業としてやっていきたいですね。
飲食業界には、チャンスに乗って急拡大される会社さんが非常に多いのですが、やはり会社の成長に人材の成長が追いつかずに歪みが出てしまう失敗事例も少なくありません。そうした意味でも我々はバランスを取って緩やかに成長してくことを基本に考えているのですが、今後は大阪万博といった大きなイベントもありますので、日本全国のフードイベントのロケーションを増やしながら、しっかり人材を確保していきたいと思っています。」
Q.今後、外国人雇用についてどうなるとお考えですか?
「外国人の方が日本で働くということに対して、世の中には色んな意見があると思うんですね。我々も外国人に社員としてお越しいただいているので無関係な話ではないと思うのですが、今は非常に極論のところで皆さん議論されてるのかなという印象があります。
我々は本当に健全にというか順調にというか、上手くやっていると思っておりますし、労働者の数が足りなかったり、インバウンドの需要が増えたりといったことが必然の中で、そこに素直に対応していくことが日本の企業に必要なのかなと考えているところです。外国人をどう活用して発展させていくのかは、今後の飲食業界にとっての必須課題と言えるのではないでしょうか。
お国柄が違えば考え方も全然違っていて、そうした経験を通じて社内に蓄積されていくノウハウが非常に多いので、プラスの効果が非常に大きいと思っています。弊社は取り組みが早かったので、既にそのメリットを受けているのかなと感じていますし、多くの企業さんでも今後こうした蓄積が必要になると考えています。」
総務部担当部長 杉野正之
平成28年入社。総務・人事・庶務などのバックオフィス全般を担当。20代から飲食企業において店長・マネージャーなどを経験。現場経験を活かして、店舗の予算管理や業務改善指導なども行う。

